Dragon in the bed.

子供の頃のお話。


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あの頃の 父はいつも  夜遅くまで 机に向かって何かを書いていた。そして昼頃になると のそのそと 起きてきて 私達と一緒に食事をとった。

「部屋に眼鏡と本を忘れたちゃったよ。取ってきてくれるかい?」と テーブル越しに頼まれた事があった。

私が ダイニングの椅子から降りて 二階に向かおうとすると 父が

「あ!ちょい待ち 」と 言う。
「ん?」と振り向くと

「布団の中に龍が寝てるから 起こさない様に注意するんだよ。機嫌損ねるとマズイから…」
と小声で言う。





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父の部屋のドアは 少し空いていて隙間からベッドが見えた。布団が盛り上がって いる…

ダイジョウブ ダイジョウブ
そう言い聞かせて部屋に入った。






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怯えた様子に同情したのか
眼が覚めて空に帰ったのかはわからない。

布団はもぬけの殻だった。





何分経ったんだろう。
本と眼鏡を握りしめリビングに戻ると
父の膝の上に横座りした母が
カップを手に微笑んでいた。

龍なんて いなかったよ!
私は母に飛びついた。



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札幌、そして子供の頃、と言えば 一番に浮かぶ光景。

あの日 きっと 龍は いた。

今は そう信じたい。